第22話    釣りたければHGを!」   平成18年09月18日  

 釣上手の人に「慣れた釣り場にアブレ無し」と云う格言めいた言葉がある。「釣りたければ、HG(ホームグランド)を作るべし」と云う事と内容は同じで、絶対にHGを持つことをお勧めしたい。HGを何ヶ所か持っていれば、毎年釣れる季節に応じて、そのHGを巡回が出来る。即ちアブレも少ないと云う事になる。

 釣り人の中には毎週の様に釣り場を転々として動く者が、結構多いものだ。固定した釣り場を持たない、つまみ食い型、浮気型とも云える人たちである。それらの多くは一箇所でじっくりと釣の出来ない人達でもある。そんな人達でも勘が冴えている時は、程々の釣果を上げる事が出来るが、長期的に見るとそんなでもない事が多い。どうしても釣れぬ時は、その釣り場をじっくりと観察出来る余裕が欲しい物である。この観察こそが明日のホームグランドを作る事に繋がり、次回の釣果を約束する物である事を忘れないで欲しいと思う。

 またベテランが良く使う言葉に「手馴れた竿にしくじり無し」と云う言葉もある。いざと云う時はやはり勝手知ったる手馴れた竿に限ると云う事である。自分の竿の限界、竿の曲がり方で魚の型や大きさがすべて分かると云う物だ。何本竿を買っても良いが、それを自分の手足の如くにじっくりと使いこなす事が絶対に必要である。大抵の釣り人は其処まで使いこなす以前に他に目が行ってしまい、ついつい新しい竿に手が出てしまう。現金がなくとも気軽にローンで購入出来る為に、竿を自分の物にする前に新しい竿を買ってしまい結果的に同じような竿を、何本も持ってしまうと云う事が多い。竿と云う物は安いから釣れない、高いから釣れると云う物ではない。自分好みの自分に合う竿を早く見つけて使いこなして欲しい物だ。せっかくの竿が、何回か使ってお蔵入り状態では竿が泣いているに均しい。

 誰かから釣れたと云う情報ばかり気にして、翌日にはその現場に直行する者も居る。情報を聞いてから、行ったのではもう遅い事が多い。そんなところでも釣れるのだと云う事を頭に入れて、その釣り場を良く観察しておくには、行って見ても良いかも知れない。次回以降の自分のHGにする積りで、ボーズ覚悟の釣に徹すべしと云いたい。そんな場所でも何回か通えば、必ず、HGになり得る事もある。人から聞いた情報は、余り当てにはならない。35cmの黒鯛がいつの間にか40cmを超えているなんてことはいつもの話だ。その日その日の状況が、魚が釣れた時の状況と必ず一致しているとは限らないと理由もある。それに釣れている時は、誰にも話したがらないのも人情である。第一釣った人との腕の差も有ることだし・・・・。

 そんなこんなで自分だけ釣り場、自分にでも釣れるHG作りをお勧めしたい。そのHGを使い自分釣技の上達をはかり、一通りものにしたところで、たまには気分転換に他の釣り場に出掛ける浮気も楽しい物だ。