第23話    ヘラウキ改造の事 T」   平成18年09月25日  
 人それぞれ世界にたった一本の自分だけのオリジナルウキを作りたいと一度は思った事があるだろうと思う。自分もそんな一人であった。十何年か前の晩秋に太目の長いカヤを選んで取って来て、ひと冬かけて二十数本のウキを作った事がある。しかしそれらのウキはB~2B程度の比較的浮力の少ないものであった。せっかくの労作ではあったが、流れのある場所で二歳や三歳を釣るには少し浮力が足りなかった。いつも出掛ける釣り場は結構右や左に潮の流れがあって、海底まで2~3ヒロの場所であるから水の抵抗を考えると最低でも34B位の負荷を必要とするので自分が目指す釣りには残念ながら何本かを除き使用に耐えないと云う事が分かった。

 自分の釣り方は主に三間位の柔らかく軽いハエ竿の長尺物の改造庄内中通し竿を使って団子釣りをしている事から、出来るだけ重いウキは使いたくない。そして出来るだけ軽いウキが投げやすいと云う事がある。それに自分の団子は、柔らかいものを使うことから大きいウキだとウキの重みに負けてバラけてしまう事もある。でそんな事を考えていると出来合いの安いヘラウキを改造した方が、部品を集めて作るよりもより簡単に安く上がる事に気がついた。出来合いのウキに自分の気に合うものがあれば、トップ等の部品などを買って来て、ウキの胴体から同じように何本も懸命に削って作るよりも、大分労が少なくそして安くつく。それにウキ本体に自分で塗料を塗るよりも格段に綺麗に仕上がる。要は合理的に考えるか、世界に一本のmyウキ取るか、どうかである。

 ウキを何本か改造して使って見ると発泡素材で作られているものは、使っているうちにウキの表面の塗料が意外とはがれやすいと云う欠点がある。安いからしょうがないと云えばそれまでだが、何回かの釣行に使っていると表面の塗料が剥げ落ちてしまっている。そしてウキ自体(発泡部分)に水が沁み込んで来る。それでウキのオモリの負荷が、自然と落ちてくると云う状況が生まれる。ネットでウキの作り方を探して、永易ウキを真似て作って見た。永易氏が以前改造に使っていたいずみ云うウキは自分も好きなウキのひとつで、幸いに20本ほどの在庫あった。ギリギリ4Bの負荷があるこのウキは、5B程度にアップした。真似て色々な形の物を作って見る。確かに浮力はアップし確実に多少波乗りも良いのだが、自立のウキではどうしても、強い潮の流れや波には負けてしまうのが欠点である。それで這わせて見たのであるが、流れに負けてしまう。日本海では、干満は小さいのであるが、短時間に右や左に早い潮が流れる事が多い。自分の釣り方が、永易氏の想定した使い方とは違う使い方をしているからかも知れぬが、今一自分の釣り方には使い勝手が悪い。ヘラウキそのものは細く感度が良いと云う利点をそのままの状態で保持したい。負荷を上げる為に、原則的に市販の自立ウキは自分に合わないので使いたくは無いと云う結果が出た。

 そこでソロバン型は波の静かな時用に使う事とし、丸い物をウキ本体とトップの境目に付けて見るとこれが、意外に面白い。負荷が確実にアップしているし、丸ウキであるから波に対しても強く潮の流れ対してもソロバン形よりは確実に良い事が分かった。後は丸ウキの大きさである。ウキは消耗品であるから、出来るだけ安いものの方が良い。親戚に手芸店があったので其処を訪ねると硬質発泡ではないが、手芸用の発泡玉があった。その発泡スチロール製の丸い玉を何種類かを買って来て、水性塗料の白を下塗りしてその上に目立つように蛍光塗料の黄色、グリーンを塗って見る。トップが細いものには目立つように楕円のシモリ玉1号に穴を開けてトップの先に取り付けた。少し遠目に投げても視認が容易である。これだと改造費も安く幾らでも作れる。