第58話    「最近のダンゴ釣」   平成19年10月25日  

 最近の紀州釣りでの流行は、何と云ってもハワセ釣である。当地も団子釣が持ち込まれてから、相当になる。そして昨年と今年永易流紀州釣の永易氏が二度来酒し講習会を行った。団子釣の講習会など今まで見た事が無かった。

 この永易氏のウキは、永易流紀州釣には欠かせないもので彼が独自に開発した代物である。以前はヌカベースにチヌパワー、細引きサナギそれに砂を混ぜ込んだ硬い団子であったのだが、最近はマルキューのインストラクターとなって共同開発された紀州マッハなどの商品を使っているようだ。その商品を持ち歩き全国行脚の旅でお忙しい。氏の話しによれば最近はHGでの釣も久しいと笑っておられた。

 ところでソロバン型のウキで知られている永易ウキだが、自分もかなり昔からソロバン型のウキを作って使い続けている。偶然だが、発想と使い方の点に相違がある。ウキの作りの始めは、20年以上も前にさかのぼる。渓流のウキに円錐型の物があった。これを何とか海に使えないかと云うことから始まった。その頃春のイサダ釣にトップの細い(ソリッドタイプ)ヘラウキの小型発泡ウキを使用していた。しかし波や潮の流れがあると使い難い。これを何とか解消し、ヘラウキの感度が良いと特性を生かしたウキを考えていた。浮力を優先すれば、感度が落ちると云う、相反する課題を何とか解消したい。しかし、試行錯誤の時間は無駄に流れた。改造したウキは100本以上にも上る。その間ソロバンの大小、波や流れに強い比較的強い丸型の使用も考えた。ヘラウキ系はウキそのものが比較的小さいので、遠くに飛ばして釣にはあまり適してはいない。その点永易ウキも似ている。ただウキの浮力を抑え、数種類のソロバン型のウキで釣り場に対応し、ガン玉は使用せず這わせて感度を保ちながら釣るのが永易流の釣である。そして投げる団子は必ずしも同じ場所に行くとは限らないから、硬い団子でチヌが寄って来る時間を稼ぐと云う発想の様である。

 自分の団子は片手で握る小さくて柔らかいものだ。そして着底後直ぐか10秒以内に割れる団子を理想としている。そしてこの団子には必ずアミを混ぜいれている。釣始めは餌取でも何でも多く集める為に、多少多目に入れて最終的にチヌを集める事を第一の目標にしている。最初の段階では2m位流し、回収する。その為には手返しが早くなくてはなら無い。それで生まれたのが、両手を出来るだけ汚さない片手握りである。ウキはその日の流れを見て浮力を決める。そしてハリス一ヒロしか取らないので、その何処に何Bを付けるかは、その日の潮加減、濁りで位置を決定する。錘の位置はハリス一ヒロ無いので、最大で一ヒロ、短い時は鈎の直ぐ上に付ける事もある。自分の今日のポイントはここと云う、場所を決定したら、その位置を2m位流しては又団子を投げ入れる。どうしても始めは餌取が多い為、チヌが釣れるとは考えていない。その代わり、チヌが釣れ始めたらほとんど入れ食い状態が始まることが多い釣だ。

 とにかく始めは餌取だろうが何でも集めてしまおうと云う算段である。自分の団子は撒き餌兼用の団子と考えている。ここも永易流との大きな違いではないだろうか?大抵自分のポイントは4.55.8mの竿一本から一本半以内である。最大でも二本半の近場を釣っている。長くて3~4時間と云う比較的短時間の釣であるから、どうしてもそのような形になってしまったのかも知れない。お金をかけないで短時間で、数を釣るこれが目標にしている。たま〜に大きいのが釣れる事もあるので、同軸リールは常にオフにし如何なる場合にも対処出来るようにしている。