私 の 釣 法


私の釣法は基本的に庄内中通し釣法から出発しています。



40年から基本的に黒鯛以外の魚は狙っていません。
かなり以前からノッコミ時の黒鯛(通称ハラミ鯛)は釣ってません。それに代わる物として春先は海タナゴを専門に釣っていました。最近は春タナゴのイサダ釣にクロダイがたまに釣れる事があります。そんな時は引き楽しませてもらい、その後リリースするように心がけてます。
私は細く軽い竿を好んで使ってます。従って、ハリス、道糸も普通の人より細いものを使用しております。使う時の注意として細くて軽い竿は、当然ながら肉薄で折れやすいことです。まず其の竿の限界を知ることです。限界ぎりぎりのところで魚を取り込むのも又結構楽しいものです。

庄内の黒鯛の呼び名
黒鯛を庄内では平物と云います。
酒田は 篠野子鯛 (シノコダイ、シノコデェ) または当歳(トウゼェ)→二歳(ニセェ)→歳(サンゼェ)→黒鯛(クロデェ)と云います。
又鶴岡では篠野子鯛(シノコダイ、シノコデェ)→二歳(ニセェ)→三歳(サンゼェ)→黄鯛(コウデェ、口の周りに黄色が見られる。30cm前後の物)→黒鯛(クロデェ)といっております。

同じ庄内でも微妙に異なります。

スズキ(長物とも云います)の呼び名
酒田では セイゴナカデ(関東のフッコ、関西のハネ)→スズキ(60cm以上)の順になっています。
鶴岡ですが、セイゴ→ハネゴ→スズキ


基本は庄内中通し釣法一本で行っています。
中通し竿の長所と短所
長   所
1 道糸が穂先に絡んでも竿を数回せばすぐに外れる事。特に風の強い日や夜釣りなどで威力を発揮する。。
2. .同軸リールは常にフリーにし親指を軽く当てているだけなので、道糸からも穂先と同様に微妙な魚の当たりが読める(フカセ釣の場合)。
3. 基本的に振り出し竿に小型同軸リール装着で、場所をとらず携帯に便利である。(4.0〜5.4mをいつも3本くらい携帯し、それでほとんどの釣り方に対処している)
短   所
1. せいぜい竿一本から二本の間のポイントしか道糸が出せない事(黒鯛を釣るときは最低3間半=6.3mなのである程度で解決できる)。
2. 竿を仕舞う時道糸の出し入れで、馴れないと竿の中で道糸が絡まる事がある。
3. 穂先のチューブラの部分に潮やゴミがたまって来て道糸の出が悪くなる事。(インナーコート等を流し込むか、帰ってから時々道糸を外して水道水の水流できれいに洗い流す)
4. 秋の大物釣の時の長竿(7.2〜9.0m)は鮎の改造ですので結構持ち重りがする。最近は同じ鮎でも軽くて丈夫なものが出ている。私はハエの7.2m(200g)を愛用してます。
5. 最近はウキフカセ、団子で遠投する人が多くなりポイントが沖に出ている事。


私の基本的な釣竿と仕掛け(標準は4.8mの中通し竿)
1. 軟調子もしくは極軟調子の長さ4.0m〜6.0mの中通し竿(ハエ竿系統の)かハエ竿もしくはヘラ竿(総調子)を中通しに改造した竿を使用している。
ハエ竿の長尺物は当地では購入できず、関西に注文する事があります。
2. 道糸は基本て敵に1〜1.2号を50m以上小型同軸リール(シマノのCLUB DEMI15〜20RL相当のもの)に巻いておく。
3. ハリスは0.6〜1号を1尋を最後チワワにしたものを(0.6、0.8、1号)3本くらいづつ釣行前に作っておく。それをスナップ付サルカン16〜18号(ハリスの交換が早いし大型でも壊れない)で結合する。団子の浮木釣の場合はガン玉4B(早くポイントに落とし込む)を針の上5〜30cmに付け針の頭のすぐ上に柔らかい蛍光玉1〜2号を2ヶ付けている。ガン玉は、蛍光パイプ(サビキ釣の仕掛用)の一番細いもの探し1〜1.5cm位に切りハリスに付けてから潰すとハリスが痛まない。
4. 浮木は消耗品の為、安い発泡のヘラ浮木11〜12号(300〜500円位)を使用し(潮の早い時や荒れたときは自作永易浮木を使用)誘導式にして使ってます。
5. 針は釣魚によっても変わるが、春先は海タナゴの6〜8号、秋以降チヌ1〜2号を使用している。
6. 餌は春先はイサダ、オキアミ(オキアミのブロックを加工した物)、白ひげ。大粒アミを等を使用している。初夏からはほとんどダンゴ釣なのでオキアミを自分で加工した物を使用している。



友 人 た ち の ダ ン ゴ 釣 風 景

中通しのダンゴの投入 待機状態 ダンゴの浮木  
ダンゴの遠投釣

 

1.イサダ釣
イサダ釣のイサダとは
 イサダは海岸の波打ち際に生息するコアミと同じプランクトンの仲間と考えてもらっても結構です。
ですから、取れない時は釣果は落ちますが冷凍コアミを砂にまぶして使う人もおります。
 夏の網戸に使う防虫ネットを加工した網で捕え、少し湿り気のある砂と一緒に入れ物(余分な水分が抜けるように帆布製のバッカンや竹篭を使用)に入れて運びます。
 大体釣に使用できるイサダを捕まえられるのは、早春からから6月の中頃まです。
それ以降のイサダは、大きいものと当年の生まれたものと入れ替わりますのでとても小さくて針に刺すのが大変で使い難くなります。
それ以降のイサダ釣では餌として0.3〜0.4号の小針に小さいイサダをつけるか、0.7〜0.8号の針に大粒アミなどを付けてます。本来生イサダでの釣ですので釣果が落ちます。
初夏からの黒鯛を狙う時は、波打ち際でイサダと一緒に採れる虫等をつけると非常に効果的な釣が出来です。



釣り方

 基本的に餌は生イサダを1〜3匹使用し、針は基本的に海タナゴの4〜7号、イサダ5〜8号使用します。
はじめ小型の杓で最初にポイントを作る為砂と一緒に数回撒き、後は浮木(ウキ)の投入の都度浮木に目がけて投げ入れます。
 この釣では魚種を問わず近くにいる魚を集め何でも釣れると云う面白い釣です。集まった魚が生イサダを追いかけると逃げ出すので夢中になり狂ったように追いかけます。最初棚を深く取り、徐々に棚を上げていきます。
 多少濁りがあった時の黒鯛のポイントでは黒鯛が釣れますし、多少澄み加減の時のタナゴのポイントでは海タナゴと一緒に小型黒鯛、メバル、シンジョウ(アイナメ)、アブラコ(クジメ)時にはソイ等も釣れて来ます。とにかく何でも釣れて楽しめます。まれにフッコも来たりします。
 酒田に仙台からイサダ釣りが伝わった頃は安いイカダ竿を使用し、波止や防波堤の壁際に竹を削って小さなスプーン状の様な物を作り、竹の弾力を生かして少量づつ絶えず撒いて魚を寄せていましたが、最近ではその様なやり方の人は見当たりません。
 大体3ヒロくらいまででしたら、イサダ釣が可能です。初めは棚を深く取り徐々に浅くしてきます。最高で三ヒロ半でやった事がありますが、結構釣れました。

 
   イ サ ダ 網(竹の長さは折たたみ状態で105cmでトランクに楽に入る)
携  帯  時 使  用  前  使える状態
イサダを捕らえた状態 イサダの拡大 北港のタナゴ釣

2.ダンゴ釣
釣り方
私のダンゴは中通しで釣る時は、基本的に柔らかい団子を標準にしています。
着底と同時に割れるか、溶けてるかというダンゴです。中通しの性格上竿1本から1本半のポイントを狙う釣ですので、遠投用のダンゴではありません。色々試した結果、浅棚には柔らかダンゴの方が釣果が良いようです。
どのダンゴ釣でもそうでしょうけど、最初に少し大きめの団子を5〜6個打ち込んでから仕掛けのセットに入ります。
1 餌取りが少ない時
 a.着底と同時に割れているダンゴを理想としています。
 b.釣る時間が少ない為(夕方の3〜4時間)、早く魚を集めるためにアミエビを少し多めに入れています。冷凍アミを細かく削りながら団子にコマメに攪拌し団子を作っています。
2 餌取りの多い時
  水分を少なめにして、多少硬く握ります。そして着底後1〜2分で割れるようにセットしています。

6月以降のダンゴ釣の時期は、海に近いもので夕方の4時から7時過ぎまでの大体3〜4時間を目安に釣行しています。
早く割れて(溶けて)ポイントを作り多くの魚を如何に早く集めるかがこの釣のポイントになっています。普段は釣行時間が少ないので車を置いて2〜3分の波止か防波堤それも1.0〜2.5ヒロ程度の浅棚を狙います。ダンゴは少量なので洗うのに便利なように5L程度の小さなポリバケツを使用してます。
ダンゴの大きさはいつも片手握り(片手だけを手洗いバケツで洗えば良いので)の小さなダンゴでやってます。
20〜30mの遠投の時は4.5mのインナーか外通しの竿(4.5〜5.4m)で自作の遠投用の杓を使って多少硬目のダンゴを作ってて投げてます。


ダンゴの作り方
 3〜4時間の釣行の為多くは作りません。
@ 東北黒鯛1/2+オカラダンゴの徳用1/4+市販の押し麦少量+パン粉少量(スーパーなどで売っている100円程度のもの)を均一になるように混ぜてあわせてから冷凍のコアミブロック1/2をその都度少しだけ削りながら、海水を少量づつ入れ上の方にだけ混ぜ合わせます。なくなったら適度な握り具合を見ながら加減しながら海水を少しづつ補充しています。
A チヌパワー徳用1/4+オカラダンゴの徳用1/3+市販の押し麦少量+パン粉少量(スーパーなどで売っている100円程度のもの)を均一になるように混ぜて合わせて後は@と同じです。
あまりこね過ぎると柔らかくとも中々溶けてくれませんので出来るだけ回数は少なくした方が良いと思います。
潮が早い時や小魚が邪魔で早くポイントに落としたい時、砂を少量加えます。
又ポイントが根かがかりする時等は特に着底と同時に浮木が浮いてくることが釣果を伸ばすようです。

3.フカセ釣
以前は、ほとんどフカセ釣専門でしたが、イサダ釣をやるようになってから、どちらかと言うと浮木を使うようになりました。
竿は中通しに、ヘラ浮木を使用し、魚種によって竿の長短を代えます。基本的には安い特価品の道糸1.0〜1.5号を年に2〜3回交換しながら使用してます。道糸が撒餌、海水、油などで汚れて竿の中に粕が溜まり道糸が出難くなるのを防ぐ為です。
同軸リールは常にフリーにし竿尻から針までの長さを約一尋から一尋半取り、ガンダマは餌取りがいない限り出来るだけ小さなものを使用します。あらかじめ1m前後のポイントを決め撒餌を打ち、集中的に魚を集めるようにして同じ場所に餌が沈むようにしています。竿が柔らかいので、食いの渋い時はあたりを糸ふけと竿先で見ますが、様々な当たりがあり急に竿を押さえ込むことも多々あります。
最近は、浮木ダンゴ釣で、餌取りが多い時などに大き目のガンダマを使用しダンゴを打ち込んだ場所でのフカセを使用して威力を発揮しています。
夏以降、テトラの際、沈み根にマエ(岩虫)、カニを使って、ガンダマ(昔は板鉛)の小を打ち静かに落としこんでやると良く大型が来ます。探り釣や前打ちと似ていますが、こちらではかなり以前から中通し竿を使ってこのやり方をやっています。

4.探り釣の変形⇒流し釣
ポイントを大体知り尽くして居る時などに有効な釣です。
探り釣りの場合は、
防波堤のポイントの周辺(捨石、沈み根の周辺)を次から次へと移動して釣ります。夕まずめ陽が落ちてから、特に沈み根等を頭に入れて釣ります。
マエ(岩虫)、カニなどを付けて、前方に餌を振り込み、長竿(6.3〜7.2m)をお腹の辺りで持ちがながら防波堤を出来るだけゆっくりとを歩いたり止まったり、聞いてみたりしながら釣ります。其の場合のガンダマは出来るだけ小さなもので、餌自体の重みでゆらゆらと揺れ魚の食い気を誘う様にします。狙ったポイントで釣れない時等に足を使い広範囲に探って行く釣です。最近は、この釣り方をする人もめっきりと居なくなりました。

5.オキアミの加工について
釣行の回数が多いと餌代も馬鹿になりませんので、私は随分昔から自分で加工しております。
@ コマセ用の安いオキアミのブロック(針が春先は特に小針なので小さくて使いよい。大き目が欲しい時は付け餌用を買っています。)でも結構です。買って来たら日陰でザルか金網の上で解凍します。
A オキアミにしみ込んだ水分がある程度とれたら次に100円ショップで買ったおかず等を入れる小さな容器(10個)入りに全部に均等に入れます。
B お酒か味醂を少量づつ入れていきます。1〜2時間すると浸透圧でオキアミから水分が抜けてきますので少し硬くなります。
C これだけでもいいのですが、更に安い蜂蜜(ホームセンターや薬のチェーン店で時々目玉商品として1kgで300円程度のものがあります)を少量いれてしばらくしてから冷凍庫に保存します。この時にスーパーの特売で買った味の素を少量混入する。私の場合釣行の時間が少ないのでこれで15〜20回使えます。小針に丁度良く、食いが抜群です。

 甘い餌は一昔前まで集魚を兼ねた特効薬として考えられ来たが、最近ではアミノ酸、核酸関係等が良いとされているようだ。アルコールや砂糖、蜂蜜でオキアミの水分を抜いて餌持ちを良くする事を目的にしている。昔、東京でヘラをやっていた時(43年前)に味の素を芋練り等に、使って釣果を得た事があるのでオキアミにも良く混入している。当時はすりおろしニンニクを入れてみたり釣り人各自色々な混入物を試していた時代である。最近になってそれらの事が科学的に解明されつつあるようだ。