略 歴 |
1.生まれた年 | ||
太平洋戦争が始まった年、昭和16年7月に生まれました。 | ||
2.昭和20年代 | ||
昭和21年春初代碧水が亡くなりました。 昭和22年頃釣の好きな女中さんが居て手製の竿を作って貰い生まれて初めて釣をした。 初めて釣った魚はハゼの小さなものでした。 その後何回か行くうちに釣にハマって、町内の友達とか近くの隠居爺さんに本格的にハゼ釣を教わる。 昭和28、9年の頃から黒鯛の稚魚(シノコダイ)、二歳物を釣るようになる。 |
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3.昭和30年代 | ||
中学に入るとまもなく布袋竹の安竿から、なけなしの小遣いをはたき安物のニガタケ製の延べ竿で短い庄内竿を買って釣をするようになる。一口に庄内竿といってもピンからキリまであり、釣の対象魚によっても長さや太さ硬さ等が異なっている。この頃から防波堤で釣りをするようになり、浅瀬でゴカイを掘り黒鯛を釣るようになる。 当時はまだグラスロッドも無かった頃の話で釣竿は全て竹製で布袋竹の安竿が200〜300円、庄内竿の安竿で1500〜2000円、多少良いものになると3000〜5000円位で高級品は軽く万を超えた。地元で作られた布袋竹の良品は1500〜3000円位、高級品で5000円以上でした。 この頃からどちらかと云うと、二、三歳物を釣って面白い胴調子の細い竿が好みでそれは今も変わりません。 庄内竿の安竿を買ったお陰で釣行二、三度に一回は竿を矯めなければなりませんでしたが、当地ではそれで自然に竿ノシ(矯め)を覚えていきます。 昭和35年高校を卒業と同時に上京。横浜の友達からヘラ釣を教わる。 学生時代の夏休みは早々に帰省し2間1尺から二間半の庄内竿を使って2歳から30cm前後の黒鯛を防波堤で狙うようになる。 在京中へらを教わった友達から「東北で黒鯛なんか釣れる訳はないし、こんなへなチョコ竿で黒鯛が釣れる訳が無い。黒鯛に似た釣れるとしたらドン百姓魚だ。第一黒鯛と云う魚は暖流に住む魚だからナ・・・・!」等と馬鹿にされ大いに憤りを覚えた思い出があります。当時関東での黒鯛釣といえばへち釣が主流で、田舎では考えられない堅いリールを使った小竿の釣でした。その頃ヘチ竿は八重洲竿、横浜竿、野島竿などがあり、フカセ釣りでは殆ど釣りをしていませんでした。竿を振って見て手元の硬さに比較して穂先の軟らかさにはびっくり!。庄内のフカセ釣に慣れている、自分には考えられない竿だったのです。 |
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4.昭和39年〜42年 | ||
学校を卒業し、東京の会社に就職。 日曜日には同郷の会社の人と良く三浦半島に小物釣に行きました。 |
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5.昭和43年 | ||
この年諸事情により故郷にUターンする。 それまでの営業畑から経理畑への転向で忙しい毎日で、釣どころではなく、滅多に行くことも有りませんでした。 |
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6.昭和46年頃 | ||
この頃、仙台からイサダ釣りが庄内に伝わる。 このイサダというのは海岸の波打ち際に生息するコアミとそっくりのプランクトンです。これを砂にまぶして撒餌にし、餌は同じものを使います。 会社に釣をする者が入って来てから、イサダ釣を覚え又以前のように毎週釣をする様になったのでした。 |
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7.昭和40年後半から | ||
庄内でもオキアミを使うようになり、其れが鶴岡のエビ撒より安く→オキアミの大量撒餌に変わって行きました。釣馬鹿の庄内の釣人達はニガダケ製の四間と云う長い竿の庄内中通し釣法で、初冬から1月始め頃まで釣れる寒クロを求め男鹿を開拓し、さらに昭和50年代の前半には佐渡を開拓しました。 一時は庄内の釣人が釣ってしまい地元に黒鯛が居なくなると云われ程でした。庄内地方は昔から釣と云えば釣りの対象が黒鯛(釣大会で45cmの黒鯛が2000点とすると真鯛の60cmが1500点以下)と云う土地柄で有ったのです。当時開拓された側の地元の釣人たちはあまり黒鯛を釣の対象にしてなかった頃であり、黒鯛の魚影が大変濃かったそうです。今にしてみれば大変うらやましい時代でした。逆に最近ではいろいろと釣雑誌等に紹介され、庄内にも太平洋側、東京あたりからもわざわざ釣りに来る人たちも大勢おります。昔に比べ黒鯛の数がめっきりと減ってきたのですが、黒鯛の稚魚の放流などでまた若干づつですが増えつつあるようです。 私も負けじと40年代の後半からは型を追いかけ、北は秋田の男鹿を越えて深浦と青森の県境迄、南は新潟県の県境を超えて新潟県の勝木の先まで毎週のように通いました。 |
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8.最近 | ||
最近は年をとったせいか遠出は止め、型より釣る事に其のものが楽しく感ぜられる釣をしています。 軟らかい極軟調のハエ竿を中通しに改造し、波止などで夕方の2〜3時間一枚一枚を大事に釣をすることに喜びを噛み締めながらの釣です。 釣の出来ない長い冬は竿の手入れや竿の改造又竹堀り等に行って竹竿や杓を作って気分を紛らわしております。 |
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