改 造 と 自 作 の 釣 用 品

1.中通竿へ改造

 まず気に入った竿を購入してきます。まずトップがチューブラかどうか、調べてチューブラでなかったら別途チューブラ(中通し為の穂先)を購入します。次に穂先に付けるトップガイドと小型同軸リールの為の6号のシート(5号でもいいが、多少大きいほうが・・・)と竿に糸を入れるためのシート(案内板)を購入します。安く上げるには別売りで買ったほうが良いのですが、高級品として別にトップと案内板のセットが冨士(トップからの道糸の出入りが良い)から出ています。
案内板の位置は各々の好きなところに装着しております。基本的には短竿は手前に、長竿は少し上げてやるようにします。トップガイドは先端部の糸の通り具合を確認し、表面をサンドペーパーで少し削ってから強力接着剤で固定します。
 各シートはナイロン又はテトロン等の細い合成糸(補修糸の細か1号)を使って巻き付けて、其の上にウレタン樹脂を5〜6回盛り上がる様に塗ります。
多少竿が穂先の交換で短くなりますので、握りの部分の糸をはずし布袋竹を使ってハカマ(握りの部分)を作る事もあります。多少長めにすれば、実寸で4.8〜7.2Mの竿で出来ます。
6号リールシート、案内板、中通し用トップ 完  成  品


2.杓 作 り

杓作りは、竹の採取から始まります。まず最初の雪が降る11月中旬頃から12月の終わり頃に掛けて、柄に使う苦竹、矢竹と握りに使う布袋竹を集める事からはじめます。手元の握りは布袋竹の亀甲の部分が面白いのでその部分を使用しています。柄の部分は布袋竹も使用しますがほとんど苦竹、矢竹等を使用しております。竹の弾力を利用し遠くに撒餌、ダンゴを飛ばす為にあまり太くて硬いものは使用しておりません。
竹を採ってきてまず火入れして水抜きをしながら、タメ木を使い軽くのしておきます。それから1ヶ月くらい寝かせたら又火入れし、タメ木で出来るだけ真直ぐにのし直します。火入れ次第で柄の部分もかなり丈夫になります。そして又半月くらい寝かせ火入れして竹の中の水分を完全に抜きながら狂いを修正します。
杓の大きさは、普通は既成品の安物(大様印の小、中、大、特大)を利用します。
小、中は撒餌用に使用してます。
大、特大はダンゴ飛ばし用に使います。特に特大をお勧めいたします。
団子飛ばし用には杓の中には布ヤスリの40番を強力接着剤で貼り付けダンゴを投げる時にダンゴが簡単に落ちないようにしています。
人によっては底に穴を開けてテグスで網を作り取り付けている人もおります。
面倒くさい人は、そのまま使っても結構です。
特大の価格は160〜200円で比較的に安価で加工が大変楽です。
柄の長さも自分用に自在に加工できるので超遠投から、遠投用と作ることが出来ます。
昨年50〜70m飛ばす友達がいて、柄を長くした超遠投用の試作品を使ってもらいましたが、結果は上々の事でした。
初期は少し飛ばしやすいようにカップを前かがみにしていたのですが、真直ぐか若干後ろのほうが良いのではと云われて真直ぐになるにうにしております。
作り方は既製品の杓の柄の部分を作成中の柄の穴(肉厚の苦竹はドリルで多少大きくする)をヤスリで削り合わせます。手元の布袋竹も同様にして合わせておきます。両者とも8〜10cm位奥に入るようにすると結構丈夫です。手元の部分で竹が合わないときは塗装用の紙テープを巻くか、削るかで調整します。後はボンドなどの接着剤で固定します。
天気の良い時には外で乾かしたりして、中の接着剤が完全に乾燥するまで待ち、竹の表面を薄く削っていきます。
削り終わったら、サンドペーパーを使って表面を綺麗加工し、その後人工籐や2号の補修糸などを巻いて接合部分を隠してしまいます。
塗装ですが、私は皮膚が弱く漆、カシュー等を使いますと漆かぶれになりますので、仕方なくクリヤーラッカーの下中塗り用と仕上げ用を各4回位づつ塗り、その後320番の紙やすりで凸凹をなくしています。其の上にウレタン樹脂を2回程塗って完成です。
また、ウレタン樹脂の代わりに乾燥しにくいですが、エポキシ樹脂の方が丈夫で良いと思います。出来れば人口漆を使ってきれいに仕上げたいところなのですが・・・・? 
握り(布袋竹)と柄(ニガダケ) 適度に切って差し込む
差し込んだ隙間に竹を差し入れて調節する 後ろの穴の部分に後でエポキシ樹脂を充填する
カップを用意する 上・指しこむ 下・表皮を削る
上・飾巻を施す 下・塗料を塗り完成 撒餌用の杓の完成品

3.自作竿置

最近は いろんな竿おきが販売されておりますが、昔から簡単に安く作れて便利な竿置を使用しております。
建築現場からの廃材で作りました。波止に必ず車止めがあると限りません。それで以前は、重石に鉛を使って竿かけを作っていたのですが、持ち運びが大変で、木を使い重石の換わりに水汲みバケツを使っています。
拾ってきた適当な木材を写真の様に二つに切り短いほうを縦に使います。ドリルで穴を開けて少し太く長い木ネジを3本位付けグラツキが無い様にします。次にビニールパイプ22Φの継パイプを止金具で固定前方の真ん中に固定して出来上がりです。誰にでも簡単に出来ます。
土    台 竿を掛けたところ
写真は実際に竿かけに掛けた所です。
受け太郎を使用 ヘラ竿掛を使用 ヘラ竿掛を使用

 

5.自 作 ウ キ (永易モドキウキ)

何とか安いヘラウキを使って、感度の良いウキが作れないものかと10年ほど前から考えていた。
昭和46年当時イサダ釣りには比較的波に強い丸ウキが主流であつたが、ここ庄内では次第に感度の良い安いヘラウキを使うようになっている。庄内で安い小型のヘラウキを使ったのは、自分達のグループが最初の方である。波があると直ぐに沈んでしまうので色々と工夫を重ね改良していた。
そのウキは主にイサダ釣りに使用されていた。
イサダは4〜5月は大きいのだが、6月に入ると産卵し、新しい子供が生まれる。
すると小さすぎて餌にはむかない。その為撒餌だけにイサダを使い、餌はシロヒゲなる冷凍のアミエビの一種を使うようになる。
ウキは勿論、すべて小型のヘラウキである。
十数年前から当地でもダンゴ釣りなるものが、入って来た。ウキはすべて大きいものばかりであった。だが、二歳、三歳を狙う人たちは安いヘラウキの多少大きいものを使っていた。繊細な釣でもあるのでカヤウキなる完成品は高価であるし、大きめのウキは、若手の人たちを除いて使う人は少なかった。
自分なりのウキをと考えて、カヤや発泡パイプでいろいろ作り思考錯誤を重ねていたところ、4年位前にネットで永易ウキなる物を発見した。ベースとなるウキは 自分が好きで使っていた手持ちのイズミと云うウキであった。これ幸いと色々な大きさのソロバン型をつけて試してみる。小物を多く釣るときは、確かに具合が 良い。ただ潮の流れがきつい時や波がある時は、少し具合が悪い。
そこで条件次第で丸型やソロバン型等何種類かベースとなるものを作り、其れを状況により使い分けして釣果を上げている。
自分のダンゴはヌカベースであるが、永易さんたちのような硬く締まった団子ではなく柔らか団子である。片手で軽く握り、放り込む。庄内中通し竿を使っている関係で遠投は出来ない。基本的に竿は、場所により2間半、3間、3間半を使うが、遠投の必要性がある時は、バカを3〜4ヒロ取る事もある。
ヘラウキの改造方法
用意するもの
@改造するためのウキ
250350円のヘラウキで長期間使えそうなもの。色々使って見てそれ以下だと耐水性、耐久性の問題があった。  
A部品
真鍮か銅バイプ3ミリ、発泡パイプ20ミリ若しくは18ミリ、1号の流線型と6号の丸型のシモリ玉(丸型は手芸店で安く買える発泡の丸いものでも可)、ケミコネクト又は1号、2号流線型シモリ玉(トップに付ける)、パワースイベル8号か9号(ヨーヅリがギザギサが付いているので最高)
3_真鍮・銅バイプ 18・20ミリの発泡パイプ シモリ玉・ケミパイプ スイベル8・9号
B道具
a.カッター、ペンチ、充電式ドリルと1.52.02.32.5mmのドリルの刃を用意する              
b..パイプカッター  
c.ゼリー状の接着剤、速乾の液体接着剤
d.カッターの大と小
C塗料
発泡パイプに使用する為に、発泡クリアおよび発泡ボンドを使用する。塗料は水性塗料を使用している。
水性のアンダーコート()、目印に蛍光塗料(白、緑、黄、赤等)、黒色。発泡クリア、発泡クリアの為の薄め液
ウ キ
未完成品 永易モドキ 波がある時に使用 永易モドキの発展型
作り方の詳しい説明